令和6年第4回定例会での一般質問と答弁の内容をご紹介します。

子どもの個性が尊重される取組について
文部科学省の「COCOLOプラン」を受け、調布市でも「不登校児童・生徒への支援プラン」を策定し、多様な学びの機会の充実を目指しています。しかし、不登校児童・生徒数は増加の一途をたどっており、令和4年度の調布市の不登校出現率は小学校で1.84%、中学校で5.66%と過去最高を記録しました。
不登校の要因として最も多いのは「無気力・不安」です。適応指導教室「太陽の子」は人気がありますが、定員オーバーで希望する日数が通えない状況です。また、発達障害の診断を受けるまでに時間がかかるなど、支援体制にも課題があります。
一方で、松本市の事例は注目に値します。教育と福祉の連携を強化し、「インクルーシブセンター」を設立。20名の職員体制で、外部専門職32名も加わり、きめ細かな支援を行っています。電子連絡帳やチャットを活用した相談体制も整備され、大きな成果を上げています。
調布市でも子育て施策は重点プロジェクトです。子ども一人一人の個性を尊重し、安心して学び成長できる環境づくりが急務です。教育と福祉、子ども生活部との連携強化が不可欠だと考えます。
以上を踏まえ、不登校児童・生徒への支援における本市の現状と課題、そして庁内連携での子どもたちの支援の取り組みについて、市の見解を伺います。
答弁
市教育委員会は,不登校の小学生を対象とした学びの場として、適応指導教室「太陽の子」を設置しています。また、自宅から外に出るのが難しい小学生を対象として、訪問型支援「みらい」を実施しています。特に今年度は、各学校において、学級に入りづらい児童が安心して過ごせる拠点として、ステップルームなどの整備を進めています。
次に、フリースクールやオンライン授業への参加に関わる出席扱いについてお答えいたします。
不登校児童生徒が、学校外の公的機関やフリースクール等において相談・指導を受けている場合、あるいは自宅等においてオンライン授業に参加した場合の出欠の取扱いについては、文部科学省の通知等に基づき各学校が対応しています。具体的には、保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること、訪問等による対面指導が適切に行われることなどの一定の要件の下、校長の判断により指導要録上出席扱いとしています。市教育委員会は、各学校において,不登校児童生徒一人一人の状況に合わせた目標を設定し、児童・生徒の頑張りを積極的に認め、評価していくことが必要であると認識しています。今後も、文部科学省の通知等に基づき、各学校が適切に対応できるよう、指導の徹底を図って参ります。
市教育委員会では,市立小・中学校の児童生徒に対し、教育と福祉両面からの支援を図るため、すべての中学校に社会福祉士等の資格を持つスクールソーシャルワーカーを1人ずつ配置し,近隣の小学校への巡回も行うことで、小・中学校全校で教育相談を受けられる体制を整備しています。
スクールソーシャルワーカーは、学校や保護者、関係機関とのネットワークの構築、連携・調整等の役割を担っており、子ども生活部や福祉健康部など庁内の関係部署とも連携しながら、児童・生徒に係る課題解決への対応を図っています。
他方、市では,調布市子ども・若者支援地域ネットワークを構成しており、教育機関をはじめ、子ども・福祉分野の支援機関が横断的に連携することで、それぞれの専門性を生かし、子ども一人一人の状況に合わせた支援につなげています。今後も、定期的な会議の開催や情報共有の充実を通して、庁内横断的な連携の下、子どもたちに適切な支援を届けられるよう努めて参ります。
女性消防団員について
地域の防災訓練では、子どもたちや来場者に応急手当やAEDの使い方、初期消火などを丁寧に教えていただき、体験の大切さを実感しています。しかし、先月のNHK報道で調布市消防団が「女性は受け入れられない」と取り上げられ、大きな反響がありました。
全国的に消防団員数は減少傾向にある一方、女性消防団員は増加しています。しかし、調布市を含む都内10自治体では女性団員がいません。その理由として、応募がない、設備面の課題、さらには女性からの応募を断ったケースもあるようです。調布市消防団は定員304名に対し、現在285名まで減少。全体の4分の1以上が日中市外で勤務しており、地域防災力の低下が懸念されます。
また、本市では「入団資格に男女の区別はない」とされていますが、実際には情報発信が不足しています。総務省消防庁は女性消防団員募集を積極的に行っていますが、調布市ではその情報が見当たりません。
人口減少や高齢化が進む中、災害の激甚化や首都直下型地震への備えも必要です。消防団の役割はますます重要になっており、災害現場でも女性の視点は欠かせません。
女性や学生を含む多様な人材の確保と、それに向けた周知啓発が重要だと考えます。これらの点について、市の見解を伺います。
答弁
調布市消防団の入団資格は、消防団条例に基づいて定めており、18歳以上の市内在住、在勤、在学者を対象としており、性別による入団の制限はありません。また、消防団団長の任命権者は市長で、団員は団長により任命されます。
令和6年10月時点で条例上の定員数304人に対して、団員数は285人となっており、欠員が生じていることから、消防力の安定的な維持と向上を図るための団員確保が課題となっています。この課題について、市と消防団本部は協議を重ね、これまで在勤者、在学者への資格拡大を行うとともに、消防団本部においては、女性消防団員の入団促進についても議論を行ってきました。
現在、女性消防団員は在籍しておりませんが、消防団への入団希望があった場合,市の事務局は,消防団活動の詳細な内容や活動環境を案内したうえで、入団希望者の意向を聞き取り、分団長による面談等を経て団長が入団を決定します。
入団希望者の中には、救命救助活動や広報活動を希望される方など、消火活動以外の地域防災活動に関心がある方もいます。市はこれらの意向を踏まえ、必要に応じて調布災害防止協会防火女性の会や災害時支援ボランティアなど、消防団以外の団体を紹介しています。
もとより、消防組織法に基づく消防機関の翼を担う消防団の主たる任務は、火災の消火活動、水害や地震等の被害を防ぐことにあります。そのために消防団員は日ごろから定期的な機械器具の点検や消火活動等の訓練に従事し、火災の報に接した際には昼夜問わず現場に出動し、消火活動に尽力しています。
今後、市ホームページの消防団活動の掲載内容の充実等を通じて、こうした消防団活動を広く知らしめ、入団を希望する方にも実態を分かりやすく伝えられるように工夫してまいります。また、この間、消防団及び消防委員会では、女性の入団促進についての課題整理や他団体の事例研究などの議論を進めてきました。多摩地区の他団体の女性消防団員の活動状況は、消防団本部付とし火災予防等の広報や救命救急活動を主として従事している事例が多く、男性団員の活動と別の任務を担っているのが実態です。他方,消防団本部の検討では,入団希望者には、消防団活動を正しく理解いただくとともに、受け入れる消防団員も女性の活動への理解など、ジェンダー平等の視点を踏まえ,双方が男女の区別なく活動できる取組を推進することを確認しました。
市は消防団での検討内容や消防委員会の提言を尊重しながらの活動環境の向上に資する施設整備、広報を通じた入団希望者への消防団活動に対する理解促進など,女性消防団員の入団と円滑な活動に繋がるように引き続き必要な支援に努めてまいります。
デフリンピックについて
デフリンピックは、聴覚に障害のある方々のための国際的なスポーツ大会です。1924年にパリで始まり、来年は100周年の記念大会となります。東京大会には、世界70~80カ国・地域から約6000人の選手やスタッフが参加し、21競技が行われる予定です。本市の武蔵野の森総合スポーツプラザでは、デフバドミントンが開催されます。
しかし、デフリンピックの認知度は依然として低く、2021年時点で16.3%にとどまっています。会場市として、市民や子どもたちへの認知度向上と聴覚障害への理解促進が重要です。
また、「サインエール」という新しい応援スタイルが注目されています。これは手話を基に考案された、聴覚障害のある選手にも伝わる応援方法です。本市では「手話言語条例」を制定しており、デフリンピックを機に手話の普及啓発に取り組むことが期待されます。
さらに、デフリンピックのレガシーとして共生社会の実現が掲げられています。本市も「パラハートちょうふ」を通じて共生社会の充実に取り組んでいますが、障害理解の促進や手話の普及、子どもたちへの教育など、さらなる取り組みが必要です。これらの点について、市の見解を伺います。
答弁
市は現在、大会の機運醸成はもとより、デフスポーツの体験をはじめ、デフリンピアンとの交流などを通じた障害理解の促進や次代を担う子どもたちへの学びの機会の提供など、市民への普及啓発にも積極的に取り組んでいます。
また、障害理解を深める取組を積極的に推進する期間である12月のパラハート月間では、スポーツ部門と福祉部門が連携し、デフアスリートが参加する講演会を開催します。
さらに、本年9月には、調布市手話言語条例及び調布市障害者の多様な意思疎通に関する条例を制定したこともあり、手話リレー動画などを活用し、手話をはじめとした様々な障害特性に応じたコミュニケーション手段や配慮などについて普及啓発を図っています。
引き続き、デフリンピックの成功はもちろんのこと、大会を契機とした共生社会の一層の充実に向け、東京都をはじめ、関連団体と連携しながら、着実に取組を進めて参ります。
市はこれまで、デフスポーツの体験機会の提供や大会のPRなど、様々なスポーツイベントを通して、市民への普及啓発に積極的に取り組んで参りました。
本年8月には、一般社団法人日本デフバドミントン協会協力のもと、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた日本代表と台湾代表の合同練習を市民公開事業として実施することで、デフアスリートのパフォーマンスを体感する機会の創出を図りました。
また、市内の子どもたちに向けては、市教育委員会と連携し、小学校へのデフアスリートの出前授業を通して学びの機会を提供しています。
さらに、大会開催まで約1年と迫ったこのタイミングを捉え、今週末の12月7日には、大会の機運醸成とともに、聴覚障害や手話に関する理解を深めることを目的とした「デフスポーツ講演会」を福祉まつりと連携して開催いたします。その他、市内在住のデフゴルフ競技のアスリートを新たに調布市応援アスリートに認定し、アスリートの支援や応援機運の醸成にも取り組んでいます。
